GooD Slim 開発秘話

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開発チームが語るGooD Slim開発秘話

最高の素材を集めた”特別な商品”を届けるために

GooD Slimは発売開始から、寝ている間に肩こりや神経痛、不眠症などの改善が期待される理想のマットレスとして、慢性的な体の不調に悩む方々に支持されています。
そのGooD Slim開発メンバーたちには、「原価に捉われず良い商品を作りたい」「お客様にとって特別になる商品を届けたい」という熱い思いがありました。

開発メンバープロフィール

経理総務部本田 由香
経理総務部 本田

開発者秘話座談会の司会進行を担当。

開発・設計部部長石橋 克己
開発・設計部部長 石橋

GoodSlimの開発のプロジェクトリーダー。

代表取締役社長梅澤 治
代表取締役社長 梅澤

(株)三協電機の代表取締役社長。GoodSlimの開発を指示。

総括製造販売責任者尻屋 卓也
総括製造販売責任者 尻屋

PSE適合性検査および医療機器認証の申請と評価試験を担当。

製造部 次長神山 歩樹
製造部 次長 神山

マット操作部のパネルと検電器のデザインを担当。

原価を気にせず、最高級素材だけを使った自社商品を作りたかった

代表取締役社長 梅澤 代表取締役社長 梅澤

本田: GooD Slim開発のきっかけを教えてください。

梅澤: 10数年前から、OEM商品としては電位・温熱組合せ家庭用医療機器を作っていたんです。その中で、良い材料を知っているのに、コストの都合上使うことができないというジレンマがありました。
会社として、オリジナル商品で勝負したいという思いはずっとあり、その時期が来たときに、これまでOEM商品を開発する中で培ってきた技術を活かすこと考えると、自然と電位・温熱組合せ家庭用医療機器で自社製品開発という流れになりました。

開発・設計部部長 石橋 開発・設計部部長 石橋

石橋: 自社製品を開発したいという社長の思いは時々耳にしていたので、「いよいよ、この時が来たか」と思いましたが、 客先要求のない製品開発は初めてで、製品のコンセプトとすべきテーマになかなかたどりつかず、最初の頃は、ただ時間だけが過ぎていきました。

本田: では、製品のコンセプトはどんな経緯で決まったのですか?

石橋: 2011年9月頃、たまたま目にとまった広告から3Dプリンターの体験セミナーに参加したんです。
現在、一般的になった3Dプリンターのような造形ではなく、曲面にインクジェット方式のプリント技術で写真などを厚みを持たせて印刷できるというものだったのですが、”曲面への印刷ができる”ということが新鮮でした。
「これがあれば、自分たちのデザインした製品をインターネットで買えるようなサービスを提供できるのではないか? デザインをネット上で公募し、採用案件には対価を還元するような仕組みで新たな市場を創出できないか?」とアイデアが広がりました。

結局、設備導入には至らなかったのですが、このときに、「買い手にとって特別な物」になるような製品にしたいという強い想いが生まれ、それが開発コンセプトとなりました。

開発にかかった期間は、1年6ヶ月間。費用は総額1,000万円以上。

開発・設計部部長 石橋

本田: 実際にGooD Slim開発がスタートしたのは、いつ頃ですか?

石橋: 2011年11月頃、デザイナーに製品デザインを依頼したのが具体的なスタートとなりました。 そこでデザイン初案が上がって、最終的に製品が医療機器の認証を取得したのが2013年4月ですので、開発期間はトータルで1年6ヶ月間かかったことになります。 開発に要した費用は、基板、外装ケース、マイコン用ソフトウェア、付属品等、その他試験、認証費用を含めると1,000万円は超えていると思います。(人件費は別枠です)

本田:富士山溶岩シート、BREATHAIR、ライトエースなど、 GooD Slimには多くの高機能素材が採用されていますね。

BREATHAIR(R) BREATHAIR(R)

石橋: パッド芯材に採用した「ライトエース」は、多層構造を持つ新タイプのポリエチレンフォームです。断熱性に優れているので、温熱を床方向に逃がさず、人体に効率良く伝えるために必須の素材でした。
「BREATHAIR」の採用は、当社の社長の提案でしたね。

梅澤: 他社製品で、通気性の良いマットレスが発売され、スポーツ選手を起用したCMで人気が出ていたので、通気性の良い構造体を採用すべきだろうと考えました。

石橋: 「富士山溶岩シート」は、マットの縫製を依頼しているメーカから紹介してもらいました。遠赤効果等のデータが揃っていたので採用したのですが、採用後、富士山が世界遺産に登録されたので、今後の供給状況を今から心配しています(笑)。

製品化までの1年6ヶ月間の道のりには、担当者それぞれに苦労も

本田: 製品化までには、試作品も数多く作ったのですか?

石橋: 試作をする段階で構造はある程度決まっていたので、量産型が決まるまでの部品の試作は手作りや切削モックで3~4種類くらいだったと思います。
量産型が決定してからは、最初に30台の試作を作り、評価しました。
実際にマットを敷く時の動作で固いコンクリートの床に5000回コントローラ部を放り投げる様に手荒く取り扱ったり、人力で行い評価しました。担当してもらった尻屋さんには本当に苦労をかけました。

尻屋:購入者の環境ではコンクリートの床が一番硬いと想定しての性能試験でした。 GooD Slimはマットが三つ折りになっているため、コントローラー部を地面から90度曲げてコンクリート上に放します。それを繰り返し、何回目でコントローラーが異常になるかを確認しました。 コントローラーのケースが直接コンクリートに当たりますから、衝撃音が出ます。会社内で迷惑にならないよう1F倉庫で実施しました。

総括製造販売責任者 尻屋 総括製造販売責任者 尻屋

本田:ほかに、開発で苦労した点はありますか?

尻屋: はい。布団が敷ける恒温恒湿室を利用し、室内温度10℃での体感を確認した時のことです。 試験時期は真夏。当時の外気温は33℃くらいあり、室内25℃と恒温恒湿室10℃の部屋の間を出たり入ったりしたので、その後しばらくは頭痛がありました。今では良い思い出です(笑)。

あとは、PSE適合性検査ですね。製品化までは、おおまかに「設計業務(設計、PSE適合性検査、医療機器認証)」「製造業務」「部品等購買業務」の3つの業務があるのですが、この設計業務の中で、取扱説明書の記載漏れと部品の試験不適合があったのです。 修正と部品改善を行ったのですが、この改善に費やした期間約1.5ヶ月分、製品化が遅れることになってしまいました。しかし、これが製品に生かされて安全で信頼される製品になったことは良かったと思っています。

本田: GooD Slimの製造は、それまで使っていた設備ラインで行っているのですか?

開発・設計部部長 石橋

石橋: ほぼ既存の環境でまかなえていますが、プレス機を新規導入しました。
マットにコントローラを取り付ける専用形状の穴を開けるために導入したのですが、プレス機は大きな設備なので、当初は、外部に穴開け加工を依頼し、社内で組立ていました。
しかし、輸送中に穴がずれてしまい、組立に支障が出るという理由から設備導入することとなりました。
プレス機の選定については、同僚がマットのサンプルを持参してメーカを訪問し、いろいろテストして仕様を決定してくれました。
「マット」への「コントローラ」の取付け構造の設計にも苦労しました。
柔らかい物と固い物をバランス良く組み立て、長期間使用してもコントローラのケースからカットした繊維がはみ出して来ないようにすることが一番難しかったですね。

「特別な物」を演出するためのデザインへのこだわり

デザイン担当 神山 デザイン担当 神山

本田: デザイン全般は、神山さんが担当したそうですね。

神山: はい。マット操作部のパネルのデザインと検電器のデザインを担当しました。
パネルデザインは、以前に石橋が少しデザインしたものがあったので、それを元にシンプルにアレンジし3パターンくらいのデザインに絞りました。

そこからは、ひたすら作成したデザインの色を変更してはプリントアウトしてケースに合うようにカッティング…を繰り返しました。
みんなに見てもらって意見をもらい、再度修正して、またプリントアウトして、カッティングして、みたいな(笑)。

本田:4色のカラーバリエーションもそれぞれ素敵な色味ですね。

コントローラー コントローラー

神山: 最終的にマットは4色展開ですが、コントローラーは2色となりました。
ピンクのマットにはピンクのパネル、その他の3色にはブラウン系のパネルということになり、ここからまたそれぞれの色のパターンを作成し、ようやく社内のOKが出ました。
その後は色見本と照らし合わせ、色の番号を決定し試作となるのですが、実際パネルにした時に少し色が違うということもあるので、実物を見るまではドキドキしましたが、 ほぼイメージ通りにできました。特にブラウン系コントローラーのロゴの色はお気に入りです。

石橋: コントローラーのタイマー部分は「アナログ時計」をイメージしたんです。
レンズ部分には、ガラスのイメージを維持するため、傷がつかないように専用の保護シートを貼り付けています。
新品の製品を初めて使用する時のピカピカ感が演出できればと思ってつけました。小さなこだわりです。

神山: 検電器という、電位が出力されているかどうかの確認リモコンみたいなものが付属しているのですが、手で持って使うものなので角が痛くないような形状にしました。ただ、手の大きさは人それぞれなので、実際に使ってみて誰もが痛くないのかどうかは、わかりませんね(笑)

代表取締役社長 梅澤

本田:今後の商品開発についての構想があれば教えてください。

梅澤: 夏冬兼用の商品をつくりたいですね。冬は電位暖かく、夏は扇風機・エアコンに頼らなくても涼しく寝られるようなマットレスです。全身を冷やしてしまうと体に悪いので、上半身は涼しく、腰以下は冷やさずに寝られるようなものを開発したいと思います。

石橋: 開発コンセプトである「購入者にとって特別な物」から離れずに、GooD Slimシリーズとして健康アイテムを開発提供していきたいと考えています。まずは、先日、特許を取得したスマホと接続するツボ探査装置の開発を進めたいと思います。

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